日本人の平均寿命は男子81.09歳、女子87.26歳で、100歳以上の方も6万人超という時代となり、大半の方が100歳まで生きる社会もすぐに来るかもしれません。
平均寿命の延びた理由は老化に関連した疾患の上位を占める「癌」「心疾患」「脳血管系疾患」などによる死亡率が低下したことにあります。死亡率の低下は医薬品、医療技術、医療サービスの向上、西洋医学的にみた糖質、脂質、タンパク質、ビタミン、微量元素、さらに食物繊維など栄養補給の充実などにあります。
しかし、平均寿命が延びても、介護を受けたり、寝たきりの生活が長かったりすれば決して理想の長寿社会とは言えません。健康寿命を縮めている原因は1位が認知症、次は脳卒中、そして衰弱です。こうした健康寿命を縮める主な原因となるものをもたらすのは「不健康な食生活」「高血圧」「喫煙」「肥満」「糖尿病」「運動不足」とかなりの割合が食生活と運動に関係する報告がTheLancetという有名な雑誌に発表されています。要因のほとんどが食生活由来である事は注目に値します。
過剰なカロリー摂取はその食べた物を消化吸収、代謝させるために種々の組織が働くことを必要とします。カロリー制限は多種の実験で寿命を延長し、癌など老化関連の疾患の発症や生体機能の低下を遅くすることが知られています。エネルギー源になる糖質、脂肪、タンパク質などの栄養素の摂取を減少させること、そして、非栄養素であるポリフェノールの摂取を多くすることが体の老化に関連して注目されています。
非栄養素は圧倒的に野菜、果実、海藻、芋、ナッツ、茸などに多く含まれています。カロリー制限をうまく無理なくやる秘訣はここにあります。加齢と共に組織を造る指令を出すDNAの複製エラーが増加して来ることも病気の発症に関与しています。組織の恒常性の維持と再生能力の低下の抑止をいかに行うか。65歳以上の人にワクチンの定期接種が行われても、その効果は限定的と言われます。免疫をつける細胞自体が加齢の為に弱っている為とされています。
弱った細胞が弱った組織を造っています。
老化を制御する非栄養素に属する成分を豊富に含有する天然物がその解決の鍵を握っていると考えています。
新しい有用な情報が出て来ましたら、その都度、解説したいと思っています。
理事長/医学博士 山原 條二
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